へっぽこ通信士航海日誌その4

へっぽこ通信士の制服姿です。

本船「月光丸」は、次の航海をレッドシー(紅海)のヤンブーという港に向けて

出発することになりました。

本船」って言いますよね船員さんは。

この「本船」と言うのは、「日本の船」を略して言う、という説と、「この船」

という意味の「本船」である、という2つの説があります。

どちらが、正しいのかはいまだに分かりませんが、とにかく自分の乗っている

船のことを船員さん達は、こう呼んでいます。

さて、話はもとに戻りますが、「ヤンブー」という港に行くらしいのです。

アラビア半島をはさんで、どちらが紅海で、どちらがペルシャ湾だろうか?

もう一度、地図を見て良く確認しておこう!  やっぱりそうだ、このスエズ

運河につながっている西側の海が紅海です。

これから、ここ、鹿児島は喜入港からやく1カ月をかけて本船は、紅海にむけて

旅立つのです。

平均速度は、約9ノット(1ノット=1ノーティカルマイル=1カイリ=1852m)

早い話が、1時間に約17km程進みます。

自転車をぼちぼち走らせているようなものですね。

さて、出向準備も慌ただしく、局長さんの手伝い(いや、邪魔)をしているうちに

本船は、喜入港を出帆していきました。

「次席さん、TRいれといてくれ」局長さんが、言いました。

「JOS JOS DE JFCH JFCH NW QTO キイレ K」

「JFCH DE JOS R TR NIL TU SK ・・」

[JOS DE JFCH TU SK・・」

[TU・・」

「・・」

と、まあこんな風にやれば良いのですが、何せ初めてのこと、局長さんにいろいろと

教えてもらいながら、やっとの思いでTR(船舶の動静を海岸局に知らせる業務報)

を入れることが出来ました。

ここでちょっと説明しますと、JOS・・・・長崎無線局(NTT)

              JFCH・・・月光丸の呼び出し符号

              QTO・・・・Q符号です。「出港」の意味

              NIL・・・・着局あての電報は、有りません。

後は、アマチュア無線と同じです。ちゃんと、最後の・・(ちょんちょん)も

やりまっせ!

無事、TRをいれて一服していると、キャプテンが無線室に入ってきました。

「局長さん、会社に電報入れといて、はいこれね」と、電報用紙を置いていきました。

この電報、てっきり局長さんが打つと思っていた私は、無事TRを長崎無線局に

入れることが出来たので、すっかりと一仕事終えた満足感に浸っておりました。

しかし、しかし現実は、厳しいものです!

これから通信士として、初めての電報を送信することになるのです。

それもこんなに早く来るとは思ってもいませんでした...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く



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この記事へのコメント
おはようございます。
パンツ屋さん睡眠時間は5時間ぐらいなの?
朝早いけど…(爆)

私は7時間以上寝ないと昼に眠くなります(爆)

つづきが楽しみになってきました(笑)

愛感謝
Posted by のりちゃん@Thank's。のりちゃん@Thank's。 at 2009年07月29日 07:49
のりちゃん、おはようございます!

いやいやとんでありませんよ。

会合などないときは9時ごろに寝てしまいますから!

やはり7時間は寝ないとパワーが出ませんね。

続きをお楽しみにして頂けると意欲がわいてきますね。

作家気分を味わえます(笑)
Posted by パンツ屋 at 2009年07月29日 11:10
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