サロンさんに今日の夕食の献立を尋ねるとなんとステ-キでした。
今、昼食を食べているにもかかわらず、すでに頭の中は夕食のステ-キの事でいっぱいです。
航海中はあまり楽しみが無いせいか、食事の献立は船乗りにとってとても重要なものです。
私の乗り込んだ「月光丸」もご多分に漏れずすばらしい食事でした。(シチョウジさんやオヤジサンたちありがとうございました。)
おかずは毎回5品以上出ます。
献立がステ-キの時などはサロンさんが肉の焼加減を聞きに来てくれます。
(とはいってもサロンさんも皆の焼加減はすでに頭の中に入っているのですが)
もちろん、ステ-キのお代わりも制限はありません。
サロンさんは皆が食事中はパントリ-の入り口で常に誰かのオーダ-に応えるべく待機しています。
一流ホテル顔負けです。
カレ-もまた特別の思い出があります。
船のカレ-には何故か「生卵」が付きます。
これを確、カレ-の上にかけて食べたような気がします。
カレ-と生卵、この組み合わせが今でも忘れられません。
手軽に食べられるので、主に入出港時の忙しい時に良く出たような気がします。
ここでサロンボ-イ(サロンさん)とメスロンボ-イ(メスさん)の違いを説明します。
ここに登場しているサロンボ-イとは、サロン士官の世話するボ-イさんをいいます。
メスロンボ-イは、メスロン士官の世話をするボ-イさんです。
前にも書きましたが略して「サロンさん」「メスさん」と呼んでいました。
本来はそうなのですが、後で書きますようにこの頃すでにサロン士官もメスロン士官も同じ食堂で食事をとっていましたので
食事の世話に関しては、サロンさんは(職員用食堂)をメスさんは(部員用食堂)を担当していました。
私(次席通信士)のベットメイキングをしてくれているメスさんの清水君です。
(彼も同様に清水の海員学校を卒業して、乗船してきた新米の司厨員でした。)
先ほども書いたとおり、私の乗っていた月光丸では、すでにメスロン士官とサロン士官は同じ食堂となっておりました。(名称は「サロン食堂」)
しかし、そこは船の世界、ちゃんと各人が座るべき席が決まっております。
たとえワッチの関係でその席が空いていても自分の座るべき席にしか座ってはいけないのです。
話はそれましたが、先ほどのボ-イさんたちは職員自室の清掃とベットメイキングまで担当いたします。
まさに、旧海軍の伝統を引き継いだような序列の厳しい世界でありました。
最近の船はどうなっているのでしょうか?陸に上がったカッパの今では全くわかりません。
乗組員も日本人ばかりではないようですし、かなり少ない人数で運行しているようですの
でかつてのようなことはないのでしょうか?
そんなわけで「員外通信士」の私こと「へっぽこ通信士」も「見習い士官」としてサロン
食堂で食事をとることが許されました。
・・・・・・・続く